【札幌】BARの居抜き空間でスポットライトに照らされた、唯一無二の寿司達によるファッションショー「鮨ノ蔵」
鮨ノ蔵 (sushi no kura)
札幌、狸小路商店街周辺。飲食ビルの地下一階、バーの居抜き物件だという、寿司屋らしからぬ雰囲気のドアを開ける。バーカウンターわずか6席の変わった空間。寿司の変態、井川大将が繰り出すのは常識を疑ったネタの施し方。全国でも有数の変態が仕立てるロジック寿司を楽しむ。
【アクセス】
すすきの駅から徒歩7分
【コース】
おまかせ:1.2万円
【このお店のスペシャリテ】
・タマカイとウニ
タマカイというハタ系の魚にサロマ湖のウニを乗せて。タマカイのコリっとした食感とそこから広がる旨みにそしてウニの塩味と苦味が追い打ちをかける。
・真鯛の海老塩麹漬け
美味い。ご飯が絶対に進む逸品。あぁ、白飯をくれ…。
・牡蠣のしゃぶしゃぶ
とろろ昆布をふりかけて。ぬるめの温度というのがポイント。プリッとした食感が素晴らしい。牡蠣特有のミネラルをダイレクトに感じる。
・数の子クリームチーズ
これまた驚きの組み合わせ。コリップチッと弾ける数の子の食感とクリームチーズの甘めの酸味がベストマッチ。井川大将のセンスに脱帽。
・アスパラのおひたし
箸休め。まるでたけのこのようなサクッとした食感にびっくり。
・タマカイ出汁のきのこ汁
ここでお椀。なめこともずくの食感にやられる。
・ヤリイカ、菜の花、山わさび
ハイレベルなつまみの中でも相当記憶に残った超絶美味い逸品。コリっという歯ごたえを残しながらもヌメッとねっとり感のある舌触り。ヤリイカの仕立て方に脱帽。山わさびでツンとおしゃれな辛みも爽快。
・ヤリイカ
これまで食べたイカの中でもベスト3に入るイカ。はんだごてで火入れしたイカはまるでイカ焼きのような香ばしさが鼻を漂う。口に入れた瞬間、何だこの食感は!という衝撃は忘れられない。
・甘鯛
美味い。シャリの酸味とのバランスが最高。
・中トロ
那智勝浦。エロくて美味い。
・ホッケ
提供前、醤油だけにはんだごてでじゅっと火を入れて醤油の香ばしさを演出。ヌメッとしたいやらしい歯触りと脂の周り具合にうっとりしてしまう。ここでしか食べられない印象的な逸品。
・ホタテ
風を当てて乾燥させる風乾という技術で仕立てている。とにかく甘く、口の中いっぱいに広がる肉厚食感に溺れる。
・いくら丼
おまけ。光に照らされキラキラと輝くいくらは美しい。
・キンキ
ウォーターベッドでほんのりと熱を入れたキンキは妖艶さを増す。色気たっぷりの愛人のようなあざとい逸品。
・トロウニ
存在感抜群。まるでオーストラリアのエアーズロック、あるいはスリランカのシギリアロックのような自然の世界遺産絶景のようなフォルム。一口で頬張るとトロもウニもジュースのようにすーっと溶けて流れていく。
・やま幸マグロの生ハム巻き
道内の人しか食べられないという秘密のスペシャリテ。薄い塩味の肉厚な生ハムで巻くというとんでもない禁断の鉄火巻。特大の重厚感ある塊を一口で。近所の名店、「トラットリアオクムラ」とのコラボで、テイクアウト品だという。今回、特別に出していただいた。
【まとめ】
全てが想像以上の美味さで完全にやられた。変態的な魚の知識や技術を持つ井川大将の腕前は唯一無二。道内の鬼才、五十嵐シェフにも似ているつまみのセンスにまずはびっくり。そしてひとつひとつネタに独自の施しをした握りのひとつひとつは個性的であり圧倒的に計算され尽くした美味さ。
価格も1.2万円程度で異常なくらいに安く感じるコスパ含めた満足感も十分。スポットライトに照らされたつまみや握りは個性的なモデルたちが独自の世界観を表現するファッションショーのような感覚。超予約困難店だが、定期訪問したい札幌の小さな名店だ。
【食べログ】
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