【香川】非日常のプライベート空間で体験する、アートな一皿との出会い「両忘」
両忘 (ryobo)
香川県高松市、中心街の道路沿いにオシャレに佇む一軒の店。アトリエなのか、美容院なのか、そんな店構えだが、実はイタリアン料理屋。その名は「両忘」。鹿児島の超有名創作料理店「KAINOYA」での修行経験もある37歳の若きシェフが創り上げる食の世界を堪能する。
【アクセス】
高松駅からタクシーで10分
【コース】
昼:おまかせ5000~6000円
【このお店のスペシャリテ】
・ストラッチェテッラチーズとアンチョビのバケット
ふわふわでサクサクなバケットの食感がとても良い。そして何よりもストラッチェテッラチーズのエアリー感は、まるで雲を食べているかのような、しあわせな口触り。アンチョビの塩気も素晴らしいアーティスティックな逸品。胃袋をいきなり掴まれた。ここから両忘劇場の始まりだ。
・パルマ産24ヶ月熟成生ハムとシャインマスカット
生ハムの薄いカットはシェフの技術の証し。口に入れた瞬間に舌に馴染んで、すーっと溶けていってしまうのが印象的。生ハムメロンではなく、生ハムマスカットという組み合わせも新発見。
・鰆のグリル 焼きナスのせ
これまた幸福感に包まれる贅沢な一皿。皮目の薫香に食欲をそそられる。ほろほろに優しくほぐれる脂の乗った小ぶりの鰆の身は素晴らしい。上に乗っている焼きナスをすりつぶしたソースも甘くてふわふわ。ナスなのにまるでスクランブルエッグのような口ざわりに驚かされる。美味な組み合わせに頷きが止まらない。
・白えびとフルーツトマトの生パスタ
本日のパスタ。パスタ以上ラーメン未満という言葉がピンとくるような、上品な一皿。白えびの旨味が滲み出たトマトベースのソースともちもち食感の太めの生パスタが絡み合い、思わず笑顔になってしまう一皿だ。
・岩手県産熟成豚のカツレツ
両忘のスペシャリテ、熟成豚のカツレツ。嬉しいことに実物は想像以上にビッグサイズ。これまで食べた豚カツの中で最も美味いなと思わされた最強のカツレツ。ナイフを入れたらすーっと切れてしまう柔らかさ、そして頬張った瞬間に広がる食感と豚の脂の甘みに包まれる。幸福の絶頂を味わえる最強のカツレツだ。
・栗とマスカルポーネアイス コーヒーがけ
見た目が芸術的なスイーツ。仕上げに熱々のエスプレッソをかけて食べる。なんと、一瞬のうちにエスプレッソが温度差で固められコーヒーゼリーへと変わる演出。マスカルポーネアイスの甘さと栗の渋み、そしてコーヒーゼリーの苦味が三位一体となり織りなすドルチェの世界を堪能できる。
・紅茶
6種類の中から好きな味を選べる。ホッとした気分になったところで、両忘劇場が終了。
【まとめ】
まるで美術館で食べているかのようなオシャレでプライベートな空間が印象的。
シェフと奥さんの2人で営むお店なので、2~3組までしか入れない。店名の「両忘」とは、禅の言葉で、良いこと悪いこと、好きなこと嫌いなことなどの両極を忘れて、無我の境地を志向するという意味。その名の通り、繰り出される一皿一皿には、シェフの技術が施され、シンプルなのに奥が深い世界観が込められている。
6品ほどのランチコースは一見すると少ないのでは、と思われるかも知れないが、一皿一皿食べ応えがある。こだわり抜かれた食材と調理方法で仕立てられた料理。それでいて5000円程度ならとてつもなくお得に感じる名店だ。
うどん巡りの合間に贅沢な時間を両忘で過ごしてはいかがだろうか?
【食べログ】
https://s.tabelog.com/smartphone/restaurant_detail/top?amp_floating_tel=1&rcd=37008167