【金沢】北陸の旬の味、香箱蟹を上品に堪能できるわずか8席の日本料理屋「一献」
一献 (ikkon)
石川県金沢市の繁華街、片町の外れ。路地裏でひっそりと暖簾をかけている日本料理の店「一献」。暖簾をくぐれば、わずか8席のL字カウンターが凛と構える。店主と女将の2人で営む小さな店内だが、ミシュラン2ツ星を獲得。今回は、解禁されたばかりの「香箱蟹」を中心に、北陸の旬の素材をいただく。
【アクセス】
金沢駅からタクシーで15分
【コース】
おまかせ香箱蟹コース:1.4万円
【このお店のスペシャリテ】
・一献
まずは女将に乾杯酒を注がれるところからスタート。店名と同じ、山形県の日本酒「一献」を。キリッと辛口で、ここから始まる一献劇場に胸が高鳴る。
・蓮根のすり流し
美味い。大根のような辛味が素晴らしい。マイタケとエビが奥底に隠れている。胃袋ががっと開かれる最初の一品。
・秋鮭のフライ 舞茸ソース
ガツンと美味いやつ。割烹でフライが出てくるというサプライズ感が面白い。鮭も身が詰まっており、銀杏と舞茸のソースがベストマッチ。秋の味覚らしい、ステキな逸品だ。
・香箱蟹八寸
解禁日初日という運の良さ。ゆで蟹、蟹酢、蟹のり巻き、そして地元の有機栽培で育ったかぶ、ブロッコリー、落花生を付け合わせで。香箱蟹は上品。北陸という感じを一気に高まる。ここでしか食べられない贅沢な一皿だ。
・香箱蟹のお椀
蓋を開けた瞬間の美しさに胸が踊る。これぞ和食という素晴らしい感動。蟹の甘さ、京都の大黒しめじのプリっと食感、ほのかに香るゆずが三位一体となって心を温めてくれる。幸せに包まれる嬉しい逸品。
・バイ貝
シンプルに塩とすだちで。これも北陸を代表するネタ。コリっという力強い健康的な食感が本当にたまらない。シンプルに素材の良さを楽しめる逸品。
・目鯛の焼き物
付け合わせのしいたけの食感と滲み出る茸汁、青唐辛子の甘さ、そして目鯛の皮の部分を楽しむための一皿。和食の底力をこれでもかと体感させられる味のある深い逸品だ。金沢の野菜、美味すぎる。
・香箱蟹の炊き込みご飯
なんとも贅沢な土鍋ご飯。この季節ならではの締め。薄味で優しいお味。内子のプチプチ感と三つ葉の風味、お米の炊き加減も絶妙。ホッとする、これぞ和食という最高の締めの逸品。
余った分は、おにぎりで握ってもらい、翌朝の朝食に。翌朝まで贅沢な時間を楽しませてもらえるおもてなしが嬉しい。
・自家製栗きんとん
最後に出てくる季節の甘味は自家製の栗きんとん。口に入れるとなんという驚き。栗きんとんのはずなのにスイートポテトの味が広がるのである。でも、100%栗で作られているという不思議なおいしさを楽しませてくれる。これにて一献劇場、終了。
【まとめ】
店主の越原さんの腕前はさすが。「これぞ和食!」という調理に感動。旬の食材の余分なものを削ぎ落とし、シンプルに旨みを残すという引き算の調理法を余すところなく体感できる。寡黙な大将と、美人で気が効く女将さんの接客のバランスが良く、愛着がわく名店だ。実は2019年12月末で閉店、しばらくは活動休止期間に入られるとのことで、非常に残念である。
またどこかで一献流の和食を味わいたい。
【食べログ】
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