【名古屋】仙人のようなシェフが奏でる、季節の素材を生かした和洋中と利益度外視のペアリング「山猫軒」

  【名古屋】仙人のようなシェフが奏でる、季節の素材を生かした和洋中と利益度外視のペアリング「山猫軒」

山猫軒 (yamanekoken)

名古屋のビジネス街かつグルメ名店も多い街、丸の内。一見古めのアパートに、美食家が集まる名店がある。看板には「山猫軒」の文字。まるで童話「注文の多い料理店」に登場する山猫軒のごとく、ひっそりと佇むこの風変わりな店。ダンボールが積まれた雑多な入口もどこか味がある。

しかし侮ることなかれ。とんでもない素材を生かした料理と、なかなか飲めないお酒を楽しめる超名店だ。まるで仙人のような風貌の伊藤シェフから15分ほど「山猫軒の掟」を聞いたのち、山猫ワールドが繰り広げられる。

 

【アクセス】

丸の内駅から徒歩5分

 

【コース】

おまかせ15000円

お酒のおまかせペアリング3000円

 

【このお店のスペシャリテ】

・すっぽんだしを使った茶碗蒸し

具なしなのでがっかりしないで、とシェフ。日本で唯一という卵にこだわり。とにかくシンプルだが奥深い世界が広がる逸品。すっぽんだしの上品さと余韻も楽しむべし。

 

・鱧とじゅん菜の冷製

初夏を感じさせる椀もの。醤油と酢の風味が胃袋を刺激する。鱧の仕立てもさすがという技術が垣間見える。愛媛の日本酒が合う。

 

・フカヒレ、志摩アワビ、田原市のあさりの酒蒸し、世界最古の里芋、琵琶湖の稚鮎の南蛮漬け、よもぎの胡麻和え

フカヒレは見島牛のだしで煮込んだとのこと。たしかに牛のエキスを感じられる贅沢なフカヒレ。アワビは小ぶりだがバターの風味とムチムチ食感が最高に贅沢。ずっと噛んでいたい食感。世界最古の里芋フライ、すごい。2018年の秋の芋を冷凍保存し、焼いたとのこと。味付けは塩だけ。まるで上品なフライドポテトのような味。右下のよもぎも侮ることなかれ。飛騨高山のこだわりのよもぎ。岐阜県瑞浪市の日本酒とともに楽しむ。

 

・トリ貝の握り、アオリイカ、タイ、タイの焼き霜、タイ漬けてまり漬け、アオリイカゲソ酢味噌和え、イカの塩辛、水菜

長野県の日本酒幻舞とともに味わう刺身の盛り合わせ。まさか山猫軒で刺身が出てくるとは。アオリイカは塩と、アオリイカのだし醤油とともに。山葵も甘くて天然の味。美味い。トリ貝もトリ貝のだしで作った詰め醤油でいただく。これまた至極的に美味い。楽しい、とにかく楽しい。

 

・鱧とデカじゅん菜と賀茂茄子の揚げ浸し

優しくて品のある心温まる逸品。ここまで大きなじゅん菜はレア。しかし美味い。京都の早熟な賀茂茄子はさっと揚げて。まるでさつまいものようなホクホク感と甘み。こんな茄子始めて食べた。思わず渋い顔をしてしまうようオトナの味だ。

 

・しらすのバケット 世界一のオリーブオイルとともに

ここからは洋風料理。洋風コース。いやはや山猫軒のバリエーションが恐ろしい。100cc1万円するという世界一のオリーブオイルを垂らした、焼きたてバケット。少し塗られたマヨネーズ、そしてしらすが最高のハーモニーを奏でる逸品。

 

・生ハムメロン、見南牛生ハム、イノシシの生ハム、人参のピューレ、ドイツ産チーズカンボゾーラ、フランス産チーズ2種、イタリアのチーズ、愛知県産イチジク、ナガノパープル

生まれて初めて食べた生ハムメロンがこんなに美味いとは衝撃。気分はすっかりイタリア人。チーズも渋くてオトナ気分。お気に入りはイノシシの生ハムとイタリアのチーズ蜂蜜かけ。贅沢なイタリア人になれる気分。

 

・見蘭牛の赤身肩ロースの炭火焼

シェフ曰く、日本一美味いのは見蘭牛とのこと。柔らかくも歯ごたえのある赤身肉は素晴らしい。早い者勝ちのおかわりで2切れ追加で頂く。ラッキー。

カリフォルニアのカベルネソーヴィニヨンとの相性も最高。パッションフルーツの酸味がお口直しに。

 

・見蘭牛の牛丼

今回の締めは、見蘭牛のバラ肉を使った牛丼。大か小サイズを選べるが、もちろん大で。炊きたてのごはんに、炒めた新玉ねぎ。甘辛く炒めた牛肉をドッサリと。

途中からこだわりの生卵をかけてもらいかきこむと昇天。シンプルかつ贅沢に。山猫イズムを最後に存分に感じられる究極の締めメシだ。想像よりもはるかに軽く、まるでお茶漬けのように食べられる、軽すぎる牛丼だ。

 

 

【まとめ】

シェフの伊藤さんは想像以上に物腰が柔らかく、食材、調理方法、お酒についての造詣がとんでもなく深い方。料理人の仕事とは食材を安全な状態に仕立てることだという信念のもと、シンプルかつ奥深い逸品を楽しめる。一見頑固オヤジのような風貌だが、優しく解説してくださり、張り詰めた緊張感など全くなくリラックスした雰囲気なので、初心者でも楽しめる。

和食、中華、イタリアン、フレンチなど、オールジャンルの料理をお酒のマリアージュとともに楽しめるというのが何よりもこの店の良さ。

15~20皿のバリエーション豊富な料理を楽しめるおまかせコースは1.5万円。日本酒やスパークリングに赤白ワインを料理に合わせて少しずつ注いでくれるおまかせペアリング3000円。破格のコスパである。季節が変わるごとにメニューがガラッと変わる。シェフ曰く、2ヶ月に一度、定期的に足を運んで旬の食材を楽しんでほしいとのこと。名古屋に来たら、定期的に足を運びたい超名店だ。

 

 

【食べログ】

https://www.google.co.jp/amp/s/s.tabelog.com/aichi/A2301/A230102/23001482/top_amp/

 

 

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