【青山】ミシュラン店での経験豊富な爽やか大将が生み出す、緩急を織り交ぜた江戸前寿司「鮨 将司」
鮨 将司
(sushi masashi)
高級感漂うおしゃれエリア、北青山。すきやばし次郎出身大将が握る、今はなき超名店「鮨 ます田」をはじめとしたミシュラン2つ星、1つ星の名店で料理経験を積んだ大将が、2020年6月、満を持して独立。その名は「鮨 将司」。横一線のカウンター9席で繰り広げられる、江戸前を軸に捻りを加えた寿司を、おまかせでいただく。
【アクセス】
外苑前駅から徒歩5分
【コース】
おまかせ:23000円
【このお店のスペシャリテ】
・毛蟹、土佐酢ジュレ、キャビア
北海道の毛蟹に土佐酢ジュレ。暑いので夏らしいおつまみからスタート。
・蒸し鮑
千葉県房総。肝ソースはあえて粗さを残すことで舌触りが面白い。もちろん残ったソースにシャリ玉を投入。いい意味でざらついた肝ソースがシャリに纏って面白い食感に変化する。
・めいちだい
上に載っているのは北海道の真城玉ねぎにトリュフ醤油でドレッシング風に。寿司屋のカルパッチョのような捻りある逸品。
・メヒカリ
千葉県。脂滴る焼き加減に大将の腕が光る。
・トロ鉄火めはり寿司赤ウニのせ
和歌山県の郷土料理、めはり寿司をアレンジした面白くもありラグジュアリーな逸品。トロとシャリを高菜の新子で巻き、その上に天草の赤ウニをドーン。これが海苔巻だとただの港区巻きだが、高菜という捻りが完全に勝ち。
・甘鯛の蒸し
まるで高級リゾートホテルのプールでぷかぷか浮いている富裕層女子のような優雅な美しさ。ほろりとほどける感じもお高い女性といった感じだ。
・マグロのすき焼き
将司のスペシャリテ。マグロをサッと割下で火を入れ、こだわりの濃厚卵黄にディップ。甘辛い誰が食べても美味しいと思えるわかりやすい美味さがある。
後半はシャリ玉を投入して寿司屋のTKGで召し上がれ。文句なしにガツンと美味い系の逸品。
・平目
ここからは握り。寝かせずに当日。ギュインとした食感が素晴らしい。なによりも次郎の系譜を継いだ酸を感じる固めのシャリが美味い。
・スミイカ
鹿児島県出水のスミイカ。次郎系のクラシックシャリがマッチ。
・サヨリ
珍しく高知のサヨリ。出始めのサヨリ、通称寿司界のエルサ。コリっとした食感の後に潜む朧の柔らかさに悶絶。
・ツブ貝
バッキバキに鍛え上げられたマッチョ感。ナイスフォルム。
・漬け
大間の120kg。マグロはやま幸。塩味のある漬けダレと筋肉質なマグロに後追いで酸。シャリの余韻が素晴らしい。
・中トロ
後半の余韻が素晴らしい。溶けたマグロの脂と粒の立つシャリが染み込みパーフェクト。シャリ勝ち。
・大トロ
あざとい女王様感。口に入れた瞬間の甘さには頭が上がらない。マグロ3連発で感じたのはシャリとのマリアージュ感。止まらない将司劇場、ここからクライマックスへ。
・コハダ
クラシックなナイスフォルム。肉厚でジュワッと肉汁が出てくるのはやはり天草のコハダならでは。そして酢加減が絶妙で温度はひんやりめ。定石的にこの順番で食べるからこそ余計に美味い。
・車エビ
ひんやりの次はあたたかめ。コリっとした犯行的な食感だが、噛むほどに優しく甘くなっていく味。この車エビのような車エビ系男子はモテそう。
・いくら
新いくらの軍艦。宝石のようなキラキラ。滋味深い生命力のあるたまご感が感じる、地味に力強い味わい。
・アナゴ
ジュクジュクの妖艶アナゴ。持った瞬間にとろっとろのふわっと感に仰天。解けるように一瞬で去っていった刹那的なネタ。
・エンガワ
追加。コリッコリのギュインとした食感に顎が喜ぶ。そして後からどんどん脂が滲み出る。これが本当のエンガワだと実感させられる逸品。
・シャリ玉
一口目に口に入れた瞬間に感じる米の粘り気。そして咀嚼するごとに米酢のまろやかな酸が追いかけてくる。酢飯、という感じ。これぞ次郎系の系譜を継ぐクラシックなシャリ。美味い。
【まとめ】
高級感のある空間、キリッとした表情の山口大将は39歳の爽やか系イケメンが醸し出す心地よいムード。マグロのすき焼きなどをはじめとした創作性の高いつまみで捻りを加えているが後半は一変してクラシックでどストレートなすきやばし次郎系の江戸前寿司。このつまみと握りのコントラストが楽しい。オープン3ヶ月でこの完成度は大将の実力の証。これから予約が取りにくくなっていくことは間違いないだろう、伸び代十分の名店だ。
【食べログ】
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