【浅草】創業154年。江戸時代からの伝統を守り続けるクラシカルな江戸前寿司「弁天山美家古寿司」
弁天山美家古寿司
(bentenyama miyakozushi)
東京の人気観光地のひとつ、浅草。観光客で賑わう浅草寺周辺からやや離れた場所に、江戸時代終盤から、150年以上営む、歴史的な寿司屋がある。その名も「弁天山美家古寿司」。現代風のイケてる寿司屋とはまた違う角度から、2貫ずつ提供される、クラシカルな「伝統的な江戸前寿司」を楽しむ。
【アクセス】
浅草駅から徒歩10分
【コース】
おきまり 美家古 1万円
※握り17貫、巻物2つのおまかせコース
【このお店のスペシャリテ】
・ヒラメ、真鯛
2貫ずつ提供されるスタイルが新鮮。スターターはヒラメと真鯛の白身コンビ。シンプルイズベスト。昔ながらの味わい。鼻につーんとくるわさびの爽快感がいとをかし。
・スミイカ、カツオ
素晴らしい。スミイカは、江戸前寿司におけるイカの代名詞的存在。まるでキットカットをかじった時のようなサクッとした食感にノックアウトされる。
・カジキの昆布締め、赤貝
赤貝、これまた江戸前寿司には欠かせないレギュラーメンバー登場。圧倒的な歯ごたえではなく、柔らかみのある、丸い歯ごたえタイプ。九州産を使用。
・ほっき貝、コハダ
貝が続く。ほっき貝はムチムチとした熟練の歯ごたえがある。コハダは古き良き感がある渋い逸品。噛むほどに酸味が広がる。粋なネタ。
・サヨリ、さい巻エビ
小さい車エビのことを「さい巻エビ」というらしい。丸まった時の縞模様が車輪のような見た目になることから車エビと呼ばれるようになった。車エビは個体の大きさによって呼称がある。このサイズは天ぷら屋や寿司屋で取り合いになるという豆知識。一晩酢に漬け込んだ。噛むほどに甘酸っぱい風味が広がる。淡い恋模様が垣間見える逸品。
・シマアジ、シャコ
シャコ、渋い。年季が入ったオヤジのような、味のある熟練のネタ。エビとはまた違う、噛みごたえが強い。生命感を感じるネタ。
・アナゴの沢煮、茹でスルメイカ
スルメイカ、面白い。スルメイカらしさを存分に感じられる。火を入れることでイカの風味が一気に広がる。イカの個性がヒシヒシと伝わってくる。
・中トロ、漬け
漬け、ねっとりとしたマグロの素材感が口の中にじわりじわりと広がる。江戸前の王道ネタ。
・ひも巻き、鉄火巻き
最後までボリュームがある。手巻きも2セットごとに提供。満腹です。
・シャリ玉
ねっとり、お米感が強い。さりげなく酸の味がする程度。薄めの味付け。
【まとめ】
江戸時代が終焉する2年前、1866年に創業。創業154年目という日本国内でも稀有な寿司屋。
「握り寿司」を生み出したとされる華屋与兵衛の下で働いていた弟子が独立を果たし、以来6代にわたる親方が歴史を紡いできた。
現代における予約困難店のような寿司ではなく、昔ながらの伝統を守ってきた、クラシカルな寿司、といった感じだろうか。
当時の江戸前寿司がファストフードであったように、スピーディーなテンポも特徴。20種の寿司はわずか30分程度で終了する。
77歳、5代目親方は口数が少なく、表情一つ変えない職人。次世代を背負って立つ46歳の6代目大将は陽気で気楽に話せる。浅草の地で江戸前の伝統を守り続けている。
寿司好きなら聖地巡礼しておきたい、歴史ある名店だ。
【食べログ】
https://s.tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13003694/