【千葉】鬼才寿司ファンタジスタが創り出す、尖りに尖った個性派寿司ラッシュ「寿司栄」
寿司栄 (sushiei)
千葉駅からタクシーで10分、徒歩25分ほどの、完全なる住宅街。街の寿司屋、という感じの佇まいにもかかわらず、全国の寿司マニアや寿司職人が足を運びにくる名店「寿司栄」がある。親父さんの跡を継いだ52歳の佐藤大将が20年以上スタイルを変えずに築いてきた。王道ではつまらない、ここでしか体験できない「変化球寿司」の最高峰を味わう。
【アクセス】
千葉駅からタクシーで10分
【コース】
おまかせ22000円
【このお店のスペシャリテ】
・毛蟹のメス
濃いなぁ。カニの主張にいきなりびっくりさせられる。
・ガスエビ
・アカニシガイ
・燻製サクラマス
なんと、千葉でアカニシガイを食べられるとは。広島で獲れるレアな貝で、コリコリマニアにとってはたまらない贅沢なつまみだ。
・ムラサキウニと中落ちシャリ混ぜご飯
序盤戦のスペシャリテ。夏っぽさ満点の芸術的な逸品。さっぱりと甘い青森のムラサキウニに、シャリとマグロの中落ちをミックス。脳内で、オレンジレンジの「イケナイ太陽」が流れた。
・マコガレイ
えんがわと肝を巻いて。
・トリ貝
握りはトリ貝からのスタート。能登産。最高すぎるじゃきっ、グニュ、プリ食感。甘いのが特徴。今年のベストオブトリ貝かもしれない。
・自家製蟹味噌
カニエキスが濃すぎなくらい、脳天直撃の危険なアテ。
・自家製カラスミ
上がブランデー、下が日本酒大吟醸で。外はカリッと、中はなんだかあんこのような食感。どうか通風にならないと神に祈ってしまった逸品。
・ミル貝
初夏という感じ。ミル貝は橙の泡とともに。
・イワシ
近代建築のようなフォルムに興奮。旬のイワシは脂がのり、極上の味わいに。
・釣りキンキ
妖艶。熟女。以上。
・マンジュ貝
珍しく久しぶりに食べた。グニュっと力強い味がする。自然の恵みに感謝。
・海鰻巻き
希少価値。皮目のカリッとクリスピーな食感が口内に響き渡る印象的な逸品。
・炙りトロ巻き
寿司栄名物のひとつ。カルビのような炙りトロで芽ネギとシャリを巻く。異端児的アプローチな面白い逸品。
・スミイカ
クリスタル感最高。サクッ、フワッ、ネットリの食感三重奏が心地よい。
・赤貝
寿司栄のアイコン的ネタ。フラワーフォルムの赤貝。芸術的なアート作品。寿司栄イズム。芸術家で例えるなら、岡本太郎。好きです。
・あん肝の飴煮丼
これはイケナイやーつ。あざとすぎる。上にはいぶりがっこのフリーズドライ。変化球だなぁ。ガツンとえぐられる脳天直撃の本能的パンチ力な寿司。
・漬け
高知のマグロ。やま幸マグロ。ネットリおしとやか。育ちが良い女性って感じ。
・能登ボタンエビの炙り
豊満で巨大なフォルムは、エビ界のマツコデラックスとでもいったところだろうか。食べた瞬間からガツンと殴られ記憶がなくなる、そんな味がした。
・アワビミルフィーユとウニ
贅の極み。アワビはなんと驚愕の5枚重ね。日本酒と水を5:5比率で用意したところに4時間煮ることでとてつもない甘みが出てくる。昆布をエサとするアワビとウニのコラボはけしからんが定石な組み合わせ。ただの贅沢品ではない、ロジックがあるのだ。
・金目鯛の縁側
1尾から2カン分しか取れないという希少すぎるネタ。もちろん初めて食べた。金目鯛のあざとさ、縁側のコリっとした食感を足して2で割った感じ。
・シャリ玉
古米は一切使わず、新潟や千葉など5種の米をブレンド。お米マイスターに依頼。米粒が立っていてなんか米にネットリしてる液体がコーティングされている不思議なシャリ。その正体は、米から滲み出たタンパク質の膜と大将。もはや私は何を食べているのだろうか…。
・トリ貝炙り
フィニッシュ。炙り、すだち。香ばしい香りが広がる。立つことができないくらい、たくさんのパンチを食らった。ノックアウト。
【まとめ】
気づけば30品食べていた。いい意味で「the尖った寿司屋」。もちろん誰が食べても美味しいと感じるが、寿司を食べ慣れている寿司好き、寿司マニアにとってはかなり面白い体験ができる。ここでしか食べることのできないネタの数々、そして日本一レアな日本酒を揃える大将のこだわり、否、変態ぶりがこの店最大のエッジだ。
ストップ申告をするまで、唯一無二の寿司たちが永遠に繰り出される大将のキャパシティに脱帽。千葉市という首都圏エリアではあるが、「わざわざ食べに来る価値のある地方の寿司屋」という印象が強く残った。大将がノッテきてからのオリジナル寿司の応酬にノックアウト。最高に楽しい寿司タイムだった。
【食べログ】
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