【福岡】粋な大将が繰り出す伝統と革新が交錯した絶品おまかせ。味わい深い隠れ家的名店「江戸心 山ぼうし」
江戸心 山ぼうし
(edogokoro yamaboushi)
【アクセス】
中洲川端駅から徒歩7分
【コース】
おまかせ:16000円
【いただいたもの】
・イカゲソイカミミのマヨネーズ和え
ぷりこりっの食感。マヨネーズもほんのり。さりげない美味さ。
・ツブ貝
お酒が合うつまみ。渋いけどうまい。
・鱈の白子
冬の味覚。プリッと、つるっと、さっぱり。
・コハダ
熊本県八代市。70時間以上寝かせている。三つ編み型のクラシカルな江戸前フォルム。かなりジューシーで噛むほどに酸と塩が追いかけてくる。
・ヒラメの昆布締め
昆布当てて3日という長さ。噛めば噛むほどに昆布の旨みが押し寄せてくる。旨みがかなり強い。見た目以上に相当美味い。
・鯖の棒寿司
松前漬けで棒寿司というのは珍しい。食べやすい味わい。
・サヨリ
香川のサヨリ。昆布締めでもなく、塩締めでもなく、昆布塩締めという江戸時代のテイスト。サクッと、ぷるっと、もちっとした食感が塩シャリに馴染んでいく。
・煮蛸
絶妙食感。わさびと甘だれが合うこと合うこと。
・アジ
福岡県藍島。デカい。ぷりっともちっと爽やかに香る激ウマのアジ。
・ウニイカ
志賀島のアオリイカと長崎のあかぐろうに。イカは3日熟成することで水分を抜いてねっとりさを演出させて、そこにウニの旨みが加わる。罪深い間違いないうまさ。最高すぎる。胡麻の香りも良い。
・鮑の塩蒸し煮
志賀島の水深で56年間育ったという熟女の鮑。塩蒸しというのは江戸時代の技法。天皇陛下も愛したという。この仕立てができるのは日本で4人の職人だけ。ぷりっぷりの食感にほんのり香る絶妙なうまみ。ストーリーを聞くと神聖な食べ物になるスペシャルな逸品。
・カツオ
対馬でとれたカツオ。日本海側で水揚げされた、いわゆる迷い鰹だ。上にはハラス。まるでマグロのよう。脂のノリがすごすぎる。
・茶碗蒸し
・車海老
鹿児島の天然車海老。右側の頭は味噌があるためにボリビアのウユニ塩湖の塩を。尻尾側は醤油で。噛めば噛むほどにジューシーなエビの旨味ジュースが口中に広がっていく。やっぱりエビってうまい!
・赤身と中トロの食べ比べ
戸井の118kgのマグロの部位別に2カン出しというテンションの上がる演出が嬉しい。大将のこだわりは、メスのマグロを意図的に使っているという。オスよりも身が繊細。特に漬けはぼってり感が素晴らしく、分厚い唇と接吻しているかのような疑似体験ができる食感。
・赤貝とホッキ貝の食べ比べ
これまた最高の演出。どちらも名産地、閖上のもの。醤油洗いという技法。どちらもすだちの柑橘の香りがほのかに香り、独特の滑りがさらに気持ちを高めてくれる。ケチらずネタとシャリをデカくして握ってくれる大将の粋な心意気に、ここの中で、ありがとうございます、と何度も唱えてしまった食べ比べだった。
・アカグロウニ
先ほどのアオリイカと合わせた長崎のウニ。もりもりに盛ったウニが本当に嬉しい。通常のウニの4倍の値段はするという海女さんがとっているという幻のウニ。有明の海苔を包んでパリッと感が最高。玄界灘に潜り込んだかのような感覚になれる。
・いくらの生湯葉軍艦
まさかの創作寿司。女将さんの発想から生まれた逸品。生湯葉に醤油漬けは、前菜でよく出てくる組み合わせだが、まさかそれを寿司に昇華して提供するとは。恐るべし、大将の引き出し。
・ヒモキュウ巻き
しその香りときゅうりの食感。そしてなんと赤貝とホッキのヒモにホッキ貝の柱まで。そこにごまを振りかけて。貝好きにはたまらない贅沢な手巻きだ。
・アナゴ
持った瞬間にほわっほわなのがわかるアナゴは特大サイズで握る。口に入れた瞬間に噛まずとも溶けていく包容力が素晴らしい。締めなのが寂しい。
・煮ハマグリ
福岡の柳川の天然ハマグリ。ヤマトハマグリという日本で6カ所でしか食べられない正真正銘のハマグリ。デカくて渋いフォルムが味わい深い。
・塩蒸し鮑の掟破り握り
とんでもない、ここでしか食べられないヤバすぎる逸品を追加。つまみで出てきた塩蒸しの鮑の真ん中部分だけをカットして、そこに切り込みを入れて肝とごま、そしてシャリを詰め込んだ、完全に破門な握り。こんな寿司食べたことがない。
・シャリ玉
古米を6種類もミックスしているというこだわりのシャリ。ねっちり柔らかなお米。赤酢はヨコイ、山吹、兵庫の3種類をMIX。砂糖はなしで塩のみなのにふくよかな甘みがある。ポイントは兵庫の日の出ホールディングスであまみを演出。
・デザート
山形のラフランスと福岡の紅ほっぺと福岡のブドウジュレの美しきデザート。女将さん手作りの逸品。つるんとぷるっとさっぱりで落ち口直し。
【まとめ】
グルメな名店が集う、福岡西中洲エリアで、スナックなどが入る飲食ビルの3階でひっそりと店を構える隠れた寿司の名店。60代の大将、五月女さんは浅草で長年腕を磨き、福岡で独立。見た目は頑固親父な風貌ですが、「どのお客さんにもリラックスして寿司を楽しんで欲しい」という考えから、フレンドリーに接してくれるため楽しい時間を過ごせます。浅草のイメージを模した店内空間は、寿司屋では珍しい赤を基調としており、活気がある雰囲気。
ここでしか食べることのできない逸品も多々あり、ボリューミーなおまかせは1.6万円と満足度高し。
一度訪れてしまうとハマってしまう、魅力満載で味わい深い名店です。
【食べログ】
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