【北九州】塩とかぼすで食べる怒涛の16カン握り一本勝負。日本を代表する唯一無二の寿司屋「天寿し」

【北九州】塩とかぼすで食べる怒涛の16カン握り一本勝負。日本を代表する唯一無二の寿司屋「天寿し」

 

天寿し (tenzushi)

北九州の都市、小倉。ここに、日本を代表する、予約が全く取れない伝説の寿司屋がある。その名は「天寿し」。NHK「プロフェッショナル」にも登場した、レジェンド職人天野功さんが仕立てる、北九州前の寿司。それはなんと、「醤油を使わず、塩とかぼすで食べる」という唯一無二の握り寿司。しかもつまみなし、お酒なし。16カン握り寿司のみ一本勝負。一生に一度は訪れてみたい、憧れの寿司屋を楽しむ。

 

 

【アクセス】

小倉駅から徒歩3分

 

 

【コース】

おまかせ:3.5万円

 

 

【このお店のスペシャリテ】

・漬けまぐろ

・大トロ

まずはいきなり青森三厩の本鮪、連続2カン出しからのスタート。最初からエース格を繰り出される。さあ、ここから、一風変わった技術的な天寿しスタイルの個性的な寿司たちが登場していく。

 

・赤イカ

天寿しといえばこれ!という看板ネタ。これまでで史上最高に美味かったイカ。プリッとコリっと食感と甘さ、トビウオの玉子にウニ、そしてピリッとくる七味のスパイシーさという七変化が口の中で展開される。これはここに来ないと食べられない唯一無二の握り。

 

・半生の車エビ

これまた見るからに色合いが美しい芸術的な握り。さっと茹でて氷で締めて、半生の状態。噛んだ瞬間のプリッコリッとしたバネのある健康的な食感に驚愕。かぼすと塩が最高。まるでまだ生きているかのような、生きたエビを食べているかのようなありえない逸品。

 

・焼きサバ

サッと炙った脂乗りのよいサバにはミョウガとこんぶを添えてパクリ。ジュワーっと広がるサバの脂とこんぶの食感、そしてミョウガの酸味が一体化する。

 

・ホタテ

まるで、そびえる山のような、圧倒的存在感のあるフォルム。丸々1個分のホタテを1カンに使うという贅沢さ。甘だれをかけてパクリ。むにゅっとしたブリンブリンの食感にホタテの風味がひんやりと口の中に伝播していく逸品。

 

・ヒラメのえんがわ

これまでのえんがわの常識を覆す、超インパクト大の食感と味。まるで生タコのような見た目、弾力。噛めば噛むほど広がっていくヒラメのうまみも楽しめる。これまで食べたえんがわの中で圧倒的1位に躍り出たサプライズな逸品。

 

・太刀魚

炭火で焼き目をつけ、アツアツほっほくで頬張る。ホロける身と上に乗せた梅肉の相性も抜群。冷たいネタ、アツアツのネタ、常温のネタ、味覚を常に刺激される。

 

・まぐろ出汁の漬けまぐろ

天寿しの四番バッター的握りがこれ。まぐろから取っただし汁に漬けるという独創的な逸品。非常に濃ゆいまぐろのエキスは甘く、食べ終わっても口の中からなかなか消えないのが特徴。これを食べさせるために、あえて1カン目に普通の漬けまぐろを出し、このタイミングでオリジナル漬けまぐろ。この伏線回収型の演出もあざといくらいである。

 

・キス

漬けまぐろの濃ゆい余韻を消すために、キスはさっぱりとしたかぼすと塩が本当にマッチする。中に秘められた柚子胡椒が意外にもスパイシーで、見た目はシンプルだが味は非常に何重にも重なる奥深さを感じさせてくれる隠れたアート作品だ。

 

・きゅうり

箸休めにはガリではなくきゅうりを食べるのが天寿し流。シャッキシャキの立派なきゅうりにはかぼすがかかっており、飽きのこない永遠に食べることのできそうなシンプルな脇役になっている。

 

・シマアジ

ぷりっコリッ。バネのような弾力が印象的。粉醤油をふりかけてこれまた味が何重にも広がっていく。

 

・サザエ

握り寿司のネタとしては非常に珍しいサザエ。軽く火を通すと食感が柔らかくなる。苦みはなく、噛むほどにじわじわとサザエの風味が広がる。そして添えられたオクラの軽いネバネバもアクセントに。こんな握り寿司は食べたことがない。

 

・鯛

肝を裏ごししたパテのような肝ソース、そしてもみじおろし、ポン酢とともに、鯛を楽しむというこれまた独創的な仕立て。まるでフレンチ料理の一皿のようなフュージョンにやられる逸品だ。

 

・ウニ

下と上で2種類のウニを乗せたゴージャスな軍艦。口に入れた瞬間に何もしなくても勝手にシューッと溶けていく感覚は、「ウニのジュース」を飲んでいるかのよう。ウニは固体なのに液体なのか、と矛盾が頭の中で起きてしまう錯覚的逸品。

 

・穴子

もはやゴジラのような、いかついフォルムとサイズ感に心を奪われる。口に入れてからなかなかなくならないほどこんなに重厚な穴子は食べたことがない。

 

・ネギトロ巻き

直前で炙り、パリッパリの食感に仕立てた海苔に、中落ちトロ、そして白ネギを贅沢な量敷き詰めてローリング。パリッ、トロッ、シャキッという音が店内に響き渡る。これにて独創的かつ唯一無二の、北九州前の天寿し劇場が終了。

 

 

【まとめ】

値はかなり張るが、寿司好きならやはり一度は訪れたい唯一無二の寿司屋だなと実際に来てみて痛感させられた。圧巻の16カンの寿司たちはどれも個性的。江戸前寿司はストレートが強いピッチャーだとすると、天寿しは様々に曲がる変化球を駆使する技巧派ピッチャーという感じだろうか。

ここに来ないと食べられない、他では一切味わうことのできない、芸術的かつ独創的な見た目、味、余韻を与えてくれる寿司のひとつひとつは圧巻の一言。レジェンドと言われる天野大将の寿司への技術と情熱は日本国内、そして世界中の寿司好きを圧倒的に楽しませてくれる。

北九州、小倉という街で燦然と輝く、日本を代表する超名店であると実感させられる、伝説的な寿司屋であることは間違いない。

 

 

【食べログ】

https://s.tabelog.com/fukuoka/A4004/A400401/40000721

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