【札幌】金髪大将が施す丁寧な仕事に脱帽。本質を追求し続ける寿司屋「薄野 鮨金」
薄野 鮨金
(susukino sushikin)
北海道の中心であり繁華街、すすきの。とある美食家の方から、「日本一美味いシャリを食べられる寿司屋」として勧められた名店がある。その名は「薄野 鮨金」。金髪風貌のパンクな寿司職人、松橋大将が握る、美しいフォルムの寿司たちをいただく。
【アクセス】
すすきの駅から徒歩3分
【コース】
おまかせ:20000円
【このお店のスペシャリテ】
・鯛
九州玄界灘。手前が腹。奥が背中。特に背中は縁側のような脂感。鯛なのにこんなに脂があるのか、とびっくりする逸品。
・蒸しアワビ
北海道松前、蝦夷アワビ。噛むほどにどんどん味が濃くなっていく。事前の恵みを感じる。味はタコに似ているから面白い。
・カツオ
戻りカツオ。素晴らしい。一級品。叩きネギと和ガラシで。酸と脂のバランスが絶妙。皮目の薫香もナイス。
・アワビ肝リゾット
ここでシャリが登場。米粒が大きく固め。
・甘エビの塩辛
いい意味で塩辛っぽくないおつまみ。全然しょっぱくない。甘エビのねっとりさと味噌の甘みソースが素晴らしい。
・ツブ貝
襟裳岬のツブ貝を肝醤油で。ハードだけどソフトな食感。
・タコの柔らか煮
増毛のタコ。見た目以上にソフト食感。
・あん肝
もちろん余市のあん肝。それになんと黒蜜を合わせるという斬新な組み合わせ。だがこれがまた合うから面白い。あん肝はよく食べるが、黒蜜で食べるあん肝は初めて。大将のセンスが光る逸品。
・春子鯛
まずは秋だけど春らしいネタからスタート。ふんわりしたソフト食感と、かためのシャリのバランスが絶妙にほろけていく。儚く口の中で消えてゆく逸品。
・ヒラメ
利尻。分厚いカットが美味い。淡白な身質で後半からはシャリの酸と旨味が追いかける。シンプルだがレベルの高い逸品。
・毛蟹
鮨金のスペシャリテ。毛蟹にはバフンウニをミックス。ふんわりと甘く、塩味もある。オホーツク海を食べているような味わい。
・漬け
北海道戸井の136kg。ここでマグロが登場。潔くシンプルでスッキリとした酸味。でも夏と違い酸は控えめ。美味いです。
・中トロ
同じ個体。キレイなフォルム。後からどんどん甘く、うまくなっていく。やっぱり、シャリとのバランスが良い。
・ブリ
函館。ナイスフォルム。見るからに脂が乗っている。口内温度で脂がますます溶けて、円熟味が増す。脱いだらナイスバディ。エロいなぁ。
・ホッキ貝
北海道の貝といえばホッキ貝。裏面を炙って。香ばしさと甘さを演出。ヤバイオブヤバイ美味さ。このホッキ貝はこれまで食べたホッキ貝の中で1番美味いかもしれない。コリっとからのグニュっと、フルーティさと香ばしさ。変化に富んだ食感と味わい。
・アジ
玄界灘。コリっとした筋肉質な食感が心地よい。でも噛むごとに脂が沁み渡っていく。
・車エビ
美しき尻尾の垂れ具合。これはアートとして興奮。惚れてまうやろ。しっかり噛み締めるタイプの車エビ。
・痛風丼
はしりの新いくらと礼文島のバフンウニを美しい器に。煌めきが眩しいアート作品。そもそも新いくらといくらの違いは、生か冷凍か。生で食べられるのは秋ぐちから11月頃までに食べられるもの。徐々に粒が大きくなり、皮目が硬くなってくるとそれがシーズン終了の合図。贅沢すぎる逸品。
・コハダ
王道な天草のコハダ。シンプルで美しいフォルム。酸味と塩味のキリッとした味に口内が刺激される。やっぱりコハダは欠かせない。
・アナゴ
長崎県壱岐。形状をほぼ留めていないくらいトロトロ。もはやアナゴ味のシャリと言っても過言ではない。
・シャリ玉
ずっと美味いなと思い続けたシャリを単体で。米特有の粘り気、澱粉質と赤酢の奥深さを噛み締めるほどに感じるシャリだ。
【まとめ】
見た目はパンク、仕事は美しい松橋大将は50歳。素な感じのキャラクターは程よい距離感。空間はシンプルで洗練されているため、そのコントラストが素晴らしい。ネタは北海道の地物がほとんどで、つまみも握りもシンプル。なによりもシャリが美味く、バランスの塩梅も唸る美味さ。寿司というアートを楽しむミュージアムといった空間。接客もスムーズで良い雰囲気なので、また訪れたいと思える名店だ。
【食べログ】
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