【渋谷】茶髪パーマの渋谷系大将がこだわり抜いた、かためのシャリとネタのバランスに感動「鮨 あい澤」
鮨 あい澤 (sushi aizawa)
渋谷駅から10分ほど歩いた静かな土地にある神泉エリア。隠れた名店が多いこのエリアに、金髪パーマのロックな大将が営むこだわりの寿司屋がある。「鮨 あい澤」だ。シンプルなつまみと、やま幸のマグロをはじめとした極上ネタの江戸前寿司をいただく。
【アクセス】
渋谷駅から徒歩10分
【コース】
おまかせ:18000円
【このお店のスペシャリテ】
・カツオの藁焼き
まずはさっぱりとしたカツオからスタート。スモークハムのような肉感と薫香がビールを進めさせる。
・トキシラズ
北海道。2品目にしていきなり強いネタ。皮目の部分だけを炙り、火入れと生をどちらも楽しめる。ぶりんぶりんのセクシー系ダイナマイトボディーレディのようだ。
・タチウオ
タチウオといえば千葉県竹岡。繊細でほどける白身と皮目のカリッとした食感、そして和風あんかけと柚子の香りで昇天。優しくて美味い。
・天然うなぎ
静岡県浜名湖。ここで天然うなぎは贅沢。パリッとしたクリスピーな皮目の食感と、見た目以上の脂が滾る素晴らしい天然の旨み。優しくも強い、そんな男になりたいと思わせてくれる逸品。
・アナゴのあらい
完全にハモかと勘違いする珍しい逸品。ハモよりも食べやすく、梅肉との相性は抜群。
・稚鮎の一夜干し
珍しい出し方。稚鮎特有のビターさを味わってもらうための一夜干しというアプローチ。ビターチョコレートのようなオトナなツマミ。
・中トロ
まずは中トロから。もちろんやま幸マグロ。宮城県気仙沼。温かいシャリとのバランスはナイス。肉厚感と夏らしい酸味で食べ飽きない。
・赤身
気仙沼。かなりさっぱりめの夏らしいさわやか系マグロ。スポーツマン系マグロ。好き。
・カマス
鼻にガツンとくる薫香が特徴的な隠れエロスなネタ。薫香がいつまでも残るパンチ力がある。美味い。
・ワラサ
ブリの手前。見た目のエロさ。セクシーだけどさっぱりとした味。後半にくるちょい固めのシャリの粒感がグッド。食べ応えまんてん。
・イワシ
千葉県銚子。脂感と酢締めのさっぱり感の絶妙なバランスが秀逸。モテ男。
・ムツ
ナイスフォルム。肌ツヤが素晴らしい。想像以上にコリっとしていて、そこからは脂街道まっしぐら。これはモテる33歳の丸の内OL。東京カレンダーの表紙を飾りそうな素晴らしい逸品だ。
・ヒメマス
これは北海道。ビワマス等もヒメマスの一種。とれる場所によって呼び名が変わる、ややこしいネタ。ナイスフォルム。トキシラズよりも脂が少なく、身質が柔らかくサッと溶けるような刹那感がある。美味い。
・キス
柚子の香りが強く漂う。プリッとモチっと、そしてシャリとほどけるバランス感が見事。上品な京都のはんなり美人だ。
・アオリイカ
素晴らしい。営業前に細かく包丁を入れて、空気に触れさせることで甘みを引き出す。甘酒のようなとろんとほどける。そして固めのシャリが後追いで粒感。素晴らしいバランス。
・バフンウニ
岩手。かなーり甘いスイートチョコレートのようなウニに驚嘆。デザートのような逸品。
・アナゴ
丸みを帯びたぷっくぷく系ぽっちゃり系フォルム。優しさに包まれて。
・アジ
島根のどんちっちアジ。ゴツゴツ系フォルム。アジといえば、鹿児島県出水市か島根のどんちっちが有名だが、その違いは香りと脂だと大将。どんちっちは特有の鼻につく強めのアジらしい香りと奥深い脂が特徴。出水は表面的な脂が強いとのこと。こうした解説で寿司IQを高めるのもまた寿司屋の楽しみ方である。
・鉄火巻
やま幸マグロ、特有のシャリ、海苔、わさびの四十奏に完全にノックアウト。マジでマジで美味い。これまで食べた中で最も美味い鉄火巻かも。
・シャリ玉
酸が弱め。酢は4種類のブレンドで固めの炊き加減。「うちはシャリ屋ですから」と大将。シャリが美味いので、シャリ玉を頼むお客は多いらしい。
【まとめ】
まさに渋谷系な風貌のあい澤大将は33歳で独立し早10年。寿司屋とは思えないそのロックな風貌とは裏腹に、口数少なくこだわって握る寿司たちはネタとシャリのバランスが計算され尽くされていて、美味い。全てのネタが口の中で溶けた後に追いかけてくる固めシャリの粒感がとにかく印象的。握りはやや小さめでテンポも早すぎず遅すぎずでちょうど良い満腹感で満たされる。また通いたくなる名店だ。
【食べログ】
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