【白金高輪】2021年超予約困難店化必至!一流のルーキー寿司屋「島津」
島津
(shimazu)
「寿司バブル」真っ只中の2020年。新たな人気店が続々と登場し、様々な話題で盛り上がった寿司業界で、11月17日に大注目の新店が誕生した。その名は「島津」。「不動前らんまる」の大将を任され、あっという間に人気店へと成長させた張本人、島津大将が27歳で独立。開店と同時にすでに予約困難店となっている話題の新店で、島津ワールドを初体験する。
【アクセス】
白金高輪駅から徒歩5分
【コース】
おまかせ:22000円
【いただいたもの】
・毛蟹茶碗蒸し
まずは毛蟹の茶碗蒸しから。胃を温める。三つ葉がいいアクセント。
・松川鰈とシメサバ
つまみはシンプルに青森のカレイと宮城のシメサバ。どちらもプリッとコリっとした食感を残しつつも、脂がかなり回っている。
・スマガツオ
長崎壱岐。かなり脂がのっている。かなりゴツめの厚切りカット。最後にパリパリの海苔をかけており、これが素晴らしい。ネギ醤油がこれまた合う。存在感の強いネタ。海苔による磯の香り、まさに磯野カツオ。
・白子ポン酢
器とのマッチングからしてアート。北海道の無洗白子を低温調理し、ポン酢と紅葉おろしでさっぱりと。
・のどぐろいくら丼
ここで切り立てのシャリといくら、そしてなんとのどぐろをのせてしまう島津さんの豪快な性格を感じる逸品。切り立てのシャリの酸、いくらの塩味、のどぐろの脂の三位一体で乳化を構築。丼ではなくもはやジュース。
・白えびの酒盗
富山の宝石白えびと、鯛の内蔵でつくった酒盗。島津のスペシャリテつまみ。日本酒または白米が進むこと間違いなしの逸品。塩味が絶妙で美味い。
・タチウオの酒蒸し
安定の千葉県竹岡のタチウオ。器との相性も素晴らしい。まるで日本庭園のよう。身質が繊細なため、焼きではなく、あえて酒蒸しに。ほろほろ崩れていく淡い味わい。さぁ、注目の握りへ。
・中トロ
まずは名刺代わりに中トロからのスタート。大間の延縄。艶やかでエロいフォルムにいきなり鼻息が荒くなる。口に入れた瞬間にぼってりとした唇とディープキスしている感覚。甘さと酸、シャリの相性最強のカップル爆誕。
・春子
まさかの柚子シャッ。鹿児島県出水。シャリを大きめにしてもらい、こんなに食べ応えのある春子鯛。分厚くもっちりで美味い。
・サワラの昆布締め
サワラっぽくない見た目のフォルムが美しい。やはりサワラの産地といえば三重県答志島。ねっとりとまとわりつく円熟の旨みがエロい。
・漬け
大間の延縄。真紅の色艶。真っ赤なリップのよう。大ぶりのカットにシャリ大きめ。美味いに決まってる。
・大トロ
大間の延縄、120kg級の個体のハラカミ13日目。1番良い状態。エロいなぁ、エロいなぁ。口に入れたらもうそこは酒池肉林的な世界が広がる。マグロのレベルが想像以上に高い。
・コハダ
もちろん熊本県天草のコハダ。シンプルなフォルムが潔い。この時期のコハダは脂分が強いが、塩締めをしっかりすることで、ちょうど良い締め加減に仕上がっている。シャリとのマッチングも素晴らしい。美味いです。
・小柱
ここでスポーティ系の爽快ネタが登場。ホタテの名産地、北海道野付。だがしかし小柱は青柳の柱の呼称。パリパリの海苔で素晴らしいコラボレーション。ジャキっと、ムチッとした絶妙な肉感と爽やかな香りがたまらない。隠れた超ハイレベルな握り。
・クエ
熊本県天草の30kgサイズのクエ。年に2.3本しか上がらない特別系とのこと。白身だがかなり脂が回っているのが見た目からしてわかる。味的には大袈裟に言うと肝とセットで食べたカワハギの握りのような味わい。もはやクエではないクエの握りを体験した。
・車エビ
山口県宇部。ここで絶妙火入れの車エビ。存在感のある強力ネタが続く。シャリを大きめにしてもらっているため、こんなに幸せな食べ応えはなかなかない。もちろん一口で。重厚だが柔軟性も兼ね備えている。仕上がりが良い。
・シマアジ
屋久島の鬼シマアジ。見た目が美しい。美男子とも言えるし、美少女とも言えるようなジェンダーレスのシマアジ。筋肉質な締まった身質と脂が回っている。シャリとのバランスが素晴らしい。地味に相当ハイレベルで美味い握り。
・バフンウニ巻き
北海道のバフンウニをたっぷり入れて、あえての細巻きに昇華。面白い構成だ。口に入れた瞬間にヒンヤリしたウニをジュースのように消えていく。
・スミイカ
ラスイチのアナゴ前にスミイカという構成はかなりひねりがある。包丁による歯切れの演出。上から生姜という演出も憎い。口に入れた瞬間の歯切れと生姜との組み合わせが絶妙。
・アナゴ
ウエケン卸、対馬のアナゴ。おにぎりのような俵型のフォルムが素晴らしい。アッツアツで柚子をサッとかけて。食べ応え満点。今年ベスト3に入る美味さのアナゴ。かなり美味い。
・シメサバ
追加。三枚付。アートのような美しいフォルムにうっとり。冬の真鯖ならではの脂がのったしっとり系の身質は上品。タイトワンピを着たスレンダーなモデルのようだ。
・シャリ玉
米は宮城県産。やや柔らかめの炊き加減で米の粘りを感じる。単体でも食べることができるがマグロに合いそうな、米と酢のうまみを感じるシャリだ。
・いちご
締めのデザートは佐賀のゆめのか。甘酸っぱくてお口すっきり。
【まとめ】
「島津」の魅力は2つ。ひとつめは、大きめのシャリと大胆なカットで丸みを帯びた、美しくデカい握り。日本一のマグロ卸「やま幸」の最高ランクのマグロを筆頭に、漁師直送という独自ルートも含めたスペシャルなネタが勢揃いする。どのネタも存在感があり、口に入れた瞬間に目を瞑り味わってしまうほど、美味い。こだわり抜いた器とネタの組み合わせもアートでありこのお店の見どころだ。
ふたつめは、なんといっても島津大将の人柄、女将さんも含めた接客。明るく楽しく、それでいてしっかりと上質な空間づくりだろう。27歳ながら貫禄すら感じる島津大将の虜になるお客が続出するのも頷ける。威勢の良い大きな掛け声が店内にこだまするが、緊張感はしっかり保たれている。「まだまだです」と謙虚に寿司の世界を探求し続ける大将の振る舞いもステキ。
近いうちに間違いなく超予約困難店になっていくこと間違いなしのルーキーが現れた。
【食べログ】
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