【千歳船橋】2020年8月オープン。驚愕の8000円おまかせ!世田谷区に出現した超新星「鮨 一喜」
鮨 一喜
(sushi ikki)
【アクセス】
千歳船橋駅から徒歩3分
【コース】
おまかせ:8000円
【いただいたもの】
・赤貝の酢の物
前菜は赤貝の酢の物から。贅沢な酢の物。赤貝の酢の物は初体験かも。ダシが効いたお酢がたまらない。
・揚げ海老芋と銀杏
面白いツマミ。和食出身大将ならではの逸品。高級食材の海老芋を揚げたてで。上質な高級ポテトフライといった感じ。銀杏もシンプルだが深い味わい。
・煮タコ
佐島のタコを塩とタレで。口に入れた瞬間のニュルッとした絶妙食感が素晴らしい。今まで食べた煮タコの中でもベスト3に入るかも。
・サワラと真鯛
シンプルに刺身も。真鯛は刺身用に寝かさずにぷりぷり食感を演出。
・焼き胡麻豆腐
鮨一喜のスペシャリテのひとつ。口に入れた瞬間にぷるっと、トロッとした触感にぶったまげた。このツマミは唯一無二。かなりびっくりした意外性の高い逸品。黒蜜をかけてスイーツとしても楽しめるなと思った。
・シャリ玉
握りへの移行前に、まずはシャリ玉からのスタート。米は宮城県と新潟2種類。赤酢2種米酢1種。コク深い味わい。まずは大将のこだわりをプレゼンテーション。期待が高まる。
・カワハギ
長崎県。肝はネタとシャリの間に挟むタイプで一体感を演出。持った瞬間の今にも崩れそうな柔らかな触感。濃厚な肝の脂と酸が乳化を起こしマヨネーズのような深みへと昇華。美味い。トップバッターで肝いりのカワハギは面白い。
・春子鯛
2番バッターで春子鯛。ここは手堅く。ぷりっとした触感。軽く昆布締めにしてうまみが香る。
・イワシ
ナイスフォルム。脂のテカリがいかにもうまそうだ。軽く酢締めしていて、超上品なマリネのよう。シャリとの相性も抜群。
・海鼠腸の茶碗蒸し
シンプルに美味い。途中で酢橘をかけてさっぱりと。酢橘と茶碗蒸し、相性いいかも。
・焼き白子丼
日本料理のテイストが入った、鮨一喜ならではの逸品。白子に火を入れ、鼈甲あんかけ。和風のあんかけダシとシャリの相性が抜群。オリジナリティが高い。
・漬け
マグロは日本一のマグロ卸「やま幸」のものを使用。この日は大間の181kgの延縄。もっちり系。丸みがあり、ほんのりと酸が香る。食べやすい。
・中トロ
同じ個体。見た目のグラデーションが素晴らしい。背中側。
・ホッキ貝
安定の北海道長万部。炙りで。ムッチムチのハード食感がたまらない。美味いなぁ。
・おつまみセット
海鼠と松前漬がここで。酒を飲ませるためのセット。ぬめっとした海鼠の食感や、松前漬のとろみと粘りに数の子のサクサク食感。美味い。
・車エビ
小ぶりの車エビをレアで茹でて。このサイズ感はちょうど良いかも。ムッチリとした肉感は色めかしい。
・バフンウニ
北海道浜中のきむら。握る直前にほんのりとウニを蒸して温めてから軍艦に盛り付ける。ウニは冷たいほうが美味い、という常識に抵抗した面白い逸品。寿司屋の濃厚ソフトクリームだ。
・赤貝
追加。閖上の赤貝だと豊洲で1kg3500円、1カンあたり原価600円ほどになってしまうため、8000円の構成だと厳しいためロシア産を使用。十分に美味い。ワガママを言ってネタとシャリの間に貝ヒモを忍ばせて、かつシャリ大きめで握ってもらう。寿司板に置かれた時から俵型の恰幅の良い腰高フォルムに興奮が止まらない。口に入れた瞬間からなくなるまで、赤貝星への宇宙旅行に行った気分に浸ることができた。美味すぎる。
・コハダ
追加。ジューシーな肉厚食感はもちろん熊本県天草のコハダ。ほんのり砂糖を入れた甘めの酢締め加減とコハダ汁の融合に思わず笑みが溢れてしまった。
・スミイカ
追加。やはり握りに合うイカはスミイカ、と訴えてくるようなコリッサクッの食感。シンプルイズベスト。
・ホッキ貝
追加。貝好きにとってはたまらない「ネタとシャリの間に貝ヒモを忍ばせて握ってください」とワガママオーダー。赤貝はたまにこの「ヒモ忍ばせパターン」は経験できるが、なぜかホッキ貝はやっている店がなく、実験的に注文。結論、最高に美味い。本体は醤油を塗ってから炙り、ヒモは生で。ムッチムチで香ばしい本体とヌルッコリッとしたヒモのダブルパンチに完全ノックダウン。いつまでもホッキ貝の食感と香りを長い間楽しむことができた。
・アナゴ
焼き立てアツアツのアナゴ。口の中でアツク弾けながら、ほろほろと溶けていく食感。心が温まる、性格の良い味だ。
・干瓢巻き
干瓢巻きは店によって個性が現れるが、「アツアツのホット干瓢をパリパリの海苔で手巻きにして提供」するのが鮨一喜流。かなりしっとりとした食感の干瓢に、虜になる。
【まとめ】
2020年8月オープンの新店。世田谷区、千歳船橋にある隠れた名店。なによりも夜のおまかせで8000円という価格帯でこのボリューム感は満足度がかなり高い。5カンも追加しても、トータル1.3万円というお会計。
「近年の寿司屋は高すぎると思います。どんなに食べて飲んでもMAX2万円くらいまでじゃないと。」という言葉に、寿司職人としての心意義を感じた。見た目は若い、37歳の喜代永さんはなんと元ラッパー。和食での経験が長く、日本料理のエッセンスが入ったつまみのクオリティがまず高い。寿司屋経験は銀座「鮨きよし」などで修行。日本一のマグロ卸「やま幸」のマグロなど、上質なネタを美味く仕立てて提供する、その営業努力に脱帽。
あまり人に教えたくないが、2021年、ジワジワと人気がうなぎのぼりになっていきそうな、次世代の名店だ。
【食べログ】
https://www.google.co.jp/amp/s/s.tabelog.com/tokyo/A1318/A131813/13250354/top_amp/