【御成門】プーさんのような大将がそのまま投影された、曲線的で上品な江戸前寿司「冨所」
冨所 (tomidokoro)
東京、新橋と浜松町の間に位置、御成門。桜と東京タワーが楽しめる名所、増上寺周辺。ここに、食べ応えのある、赤シャリの江戸前寿司で寿司好きを虜にしている寿司屋がある。その名は「冨所」。鮨真で修行をし独立した若き大将。メガネをかけたプーさんのような柔らかな職人が繰り出す、江戸前ネタをいただく。
【アクセス】
御成門駅から徒歩5分
【コース】
おまかせ夜:1.8万円
【このお店のスペシャリテ】
・トリ貝、ヒラメ
兵庫県室津産。やばい。程よい磯感。ムチグニュ食感。噛むほどに甘みが広がる。
・カツオ
・蒸し牡蠣のオイル漬け
見た目以上に美味い逸品。オイル漬けにする事で余計に甘く濃い牡蠣のエキスがじゅーっと広がる。甘く感じる塩も本当に美味い。
・ホタルイカの粕漬けと塩あん肝
ホタルイカは粕漬けによってより一層力強い濃さが増した感じ。本当に美味い。塩あん肝はまるで塩鮭のような、食べたことがないあん肝の食べ方。
・スミイカ
・サヨリ
シャリの美味さを実感する握り。シャリの方が強い。固めの赤シャリが美味い。
・漬け
勝浦。マグロ屋はゆのか、という若手のマグロ屋。滑らか。酸がほどよい。上品。
・背トロ
熟成10日目くらい。いい感じにまわってる脂。
・コハダ
・メジマグロ
マグロの子供。サクッとした歯ざわりと広がる若い脂。口の中にすーっと広がっていく。美味い。
・アジ
鹿児島。とてつもない分厚さ。さっぱりと締めたアジ。どんどんさっぱりとしていく。ツウな逸品。
・ほっき貝
長万部。とんでもないフォルム。口福に包まれる。食べ応え、食感、旨み、甘み、パーフェクト。満足感の頂点。
・タコ
珍しいネタ。火入れをしている。コリっとした歯ごたえと噛むほどに広がる旨み、タコらしい粘り強さを感じる。
・春子鯛
丸みのある春子。優しい。京美人のような上品なはんなりとした味わい。
・シメサバ
長身のイケメンなフォルム。コイツはモテる。噛んだ瞬間に一斉に広がるマグロの大トロのような脂のノリに仰天。
・漬けサワラ
曲線が美しい。玉ねぎ醤油で漬けることで独特の香りがブワッと広がる。冨所イズムの真骨頂を感じる逸品。
・車エビ
このサイズ感に大将の潔さを感じる。ややレアの火入れ気味。口の中が、エビの布団で埋もれている感覚。誰もが笑顔になれる平和な逸品。
・ムラサキウニ
スーッとさっぱり溶ける。高級。
・アナゴ
・青柳
真ん中にノリを敷いて。口の中で高速ドリブルでバウンド。香りが広がる。鼻を突き抜ける。
・ミル貝
美味いっ!ほっき貝のような食感よりもさらに強い感じ。野生的な味。
・シャリ玉
粘り気のある米粒のひとつひとつ。噛むほどに広がる赤酢のキリッとした酸が口を駆け巡る。江戸前のシャリ、でも優しさが溢れる、愛のあるシャリ。
【まとめ】
「美味い」寿司屋。つまみはもちろんだが、主役は握り。大胆なカットと大きめのシャリで食べ応えがある。ただ大きめの握りなのではなく、フォルム、味ともに丸みがある、曲線的な寿司なのがとても印象に残った。大将のキャラクターがそのまま寿司に宿っている。
カウンター6席だけ、まるで茶室のようなマインドフルネスな空間で味わう珠玉のネタの数々に、感動すること間違いなし。これからもさらにとんでもない寿司屋になっていくであろう、名店だ。
【食べログ】
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