【麻布十番】乳化という科学的ロジックを追求したハイセンスな進化系江戸前寿司「麻布十番 秦野よしき」

【麻布十番】乳化という科学的ロジックを追求したハイセンスな進化系江戸前寿司「麻布十番 秦野よしき」

 

麻布十番 秦野よしき 

(azabuzyuban hatano yoshiki)

東京都内有数の高級な街、麻布十番。ビルの地下2階、広がる凛とした和の空間。江戸前の伝統と革新をテーマに、食通を唸らせる寿司屋「麻布十番 秦野よしき」。もっと美味く、を追求した研究熱心な35歳の大将、秦野さんが繰り出す寿司劇場を楽しむ。

 

 

【アクセス】

麻布十番駅から徒歩5分

 

 

【コース】

おまかせ:2.5万円

 

 

【このお店のスペシャリテ】

・メジマグロの炙り

見た目は鰹と勘違いする。皮目の香ばしさ、脂のまわり具合が良い。海苔醤油は海の中を泳いでいるような塩味がパンチある。

 

・牡蠣揚げ

岩手県大船渡市の牡蠣。片栗粉をまぶし、揚げる。そこにバルサミコ酢等の様々な酢をブレンドしたオリジナルのタレをかけて。大将曰く、これが本当の牡蠣揚げ(かき揚げ)。その表現が上手くて、味も抜群に美味い。誰もが好きな味。牡蠣の食べ方としても面白い。やられた逸品。

 

・函館の白子

函館のタチ。そこにマグロの出汁とすだちをスープにして白子と一緒に頬張る。プチっとした食感とそこから広がるクリーミー感。贅沢な一皿。

 

・あん肝

やっぱりあん肝は余市。煮るのではなく、蒸すことで仕上がった滑らかさ。反則なやーつ。

 

・春子鯛

握りのスターターは春子鯛から。美しい見た目の春子鯛は昆布締めにし、柔らかな食感を演出。噛むほどに広がる塩味がじわじわと広がってくる。

 

・スミイカ

鹿児島県出水市のスミイカを。口いっぱいに頬張るとまずはハードな触感。かみごたえ抜群。そして次にはねっとりとした甘みが追いかけてくる。美味い。顎と口が喜んでいるのがわかる。

 

・イワシ

ナイスフォルム。リニアモーターカーのような最先端感とシャープさがある見た目にワクワク。スーッと口の中で溶けていく。贅沢。

 

・赤身漬け

やま幸。静岡下田、150kg級の延縄。モチモチとした食感。赤身特有の酸味が心地よい。

 

・トロのはがし

大トロと中トロの間の身を剥がして重ねた握り。大将曰くこの部分がマグロで最も美味いとのこと。今にも崩れてしまいそうな淡いフォルムを口に入れると訪れる浮遊感。宙に浮いているかのような、スカイダイビング的逸品。

 

・のどぐろの小丼

秦野よしきのキーワード「乳化」がわかりやすい代名詞的逸品。まずは、まるで鯉のぼりのごとく悠々と泳いでいるようなフォルムに微笑んでしまう。脂が多いのどぐろは火入れしすぎるとパサつきやすいので火入れはしすぎずに調整。シャリの酸と塩、そしてのどぐろの脂が混ざり合うことで生まれるマヨネーズのようなドレッシングのような旨味成分。反則級な美味さも、実は科学的アプローチで昇華されたロジックが背景にはあることを勉強させてもらった。

 

・シメサバ

大将としては実は裏の4番打者的な存在のネタ。あさつきはニンニクのような味に。しっとりとトロのような上品な脂と、あさつきのパンチ力が重なって相乗効果のスパイラルが巻き起こるネタ。

 

・毛ガニ

旬の握り。ほぐした身をまとった握りは小さな小動物のような、可愛がりたくなるようなペット的な様相を呈する。口に入れた瞬間に感じる、カニのベッドに飛び込んだかのような感覚が忘れられない。

 

・アナゴ

握りの締めは食べ応え満点のアナゴ。大胆なカットのアナゴを折り畳み、握る。口に入れた瞬間にアナゴに息を止められたかのような窒息感を感じるくらい、アナゴに埋もれる贅沢感。ここでさらに満腹感が醸成。美味い。

 

・チーズ玉

通常のタマゴではなく、特別にチーズとタマゴと水だけで作った、天然のチーズケーキのような玉。スイーツ感覚。

 

・シャリ玉

米酢、赤酢、あらゆる酢を独自の配合で作り上げたシャリ。パンチは弱めで、ネタと合わせることで旨味が引き立つように調整している。食べ飽きないシャリだ。

 

 

【まとめ】

キーワードは、「乳化」。魚の脂、シャリの酸味と塩味。その三位一体による化学反応が巻き起こす口の中での深い味わいを追求している科学的な寿司屋。つまみ系7品、握り系10品という品数は一見少ないように思えるが、終わった後の満腹感があるから不思議。それも全て大将が組み立てた、寸分も狂わないロジックが成り立っている証。

札幌一の予約困難店「鮨 一幸」の工藤大将を師と仰ぎ毎日ネタやシャリの情報を交換。雰囲気やスタイルもどことなく似ているという印象。

一方で張り詰めた空気感はなく、大将のギャグや指をパチンと鳴らしてつまみを提供するというおもしろ演出もあり、楽しい空間でハイセンスな寿司を楽しめる。

 

鮨 一幸

http://this-is-youngish.com/blog-sushi-sapporo-ikko/

 

 

【食べログ】

https://s.tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13158874/#

 

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